10月12日 近畿大学農学部の自主ゼミASANTE主催のGMOシンポジウムに参加しました
以前、このブログでもご案内いたしましたが、10月12日に奈良県富雄にある近畿大学農学部の自主ゼミASANTEが主催したGMOシンポジウム「GMOは食糧危機を救えるか」にパネラーとして参加してきました。
パネラーは推進派議論として、同大学農学部バイオサイエンス学科の重岡成教授、慎重派議論として同学部環境管理学科池上甲一教授と尾関の3名。
最初に重岡教授が、「GMOの現在と未来」と題して、GMOが生まれた簡単な経緯、現時点の状況、日本国内にどのくらい既にGMO食物が入っているかを「自給率」も合わせてお話下さいました。
続く池上教授は、「GMOはアフリカを救うか?」と題して、GMO、特に「商品化されている【第一世代】の作物」に限定して、GMOの力への疑問(収量が上がるというが数年経つと収量が下がってくる、除草剤耐性のはずが数年使っていると雑草が除草剤に対して耐性を持ってきてしまう等で、GMOを使っている生産者からモンサント社が訴えられていること等)、GMOの推進の背景にある開発費用回収という企業の死活問題が背景にあること、知的財産としてGMOを見た場合TRIPS(貿易関連知的所有権)協定がどう(生産者に)影響するか(自家採種が特許の対象となる等)、アフリカの現状、援助の中でGMOの存在等をお話下さいました。
「優生保護法・ロボトミーとGMOの論理構造は共通性があるのではないか?」「誰に取っての技術か」そして、「レッテル張りは思考停止を生む。○○論を鵜呑みにせずに実証して見る姿勢」の大切さを説かれました。
尾関からは「農家にとってほんとうに大切なもの〜アフリカの現場から〜」と題して、ジンバブゥエの画像と合わせながら、乾燥している気候、古い大陸(古い土)という状況の説明、土地や水が公正に分配されていない現状、種の問題(自家採種できない一代種F1が主流、インフレ、値上り)等に加え、援助という構造の中で選択の余地がない点などを伝えました。
シンポジウムには学部生だけでなく、先生方も参加され、3名の発表の後やパネルディスカッションでも様々な質問、コメントが出されました。
尾関にとっても、勉強になったシンポジウムでした。
報告書が作成されるとのことですので、関心がおありの方はぜひASANTEをご覧下さい。
(尾)
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