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October 05, 2010

バレンタイン裁判の話

このブログでお話をするのは初めてかもしれません。DADAの会報の挟み込みなどでは何度かご報告していましたが、ご存知のない方もいらっしゃるかもしれませんね。
 
 DADAというより、DADA公認で尾関葉子が関わっている運動に「バレンタイン裁判支援会」があります。これは、ナイジェリア人のバレンタインさんの裁判を支援している会で、拙いながら、通訳を担当させていただいています。
(いや、通訳なんておこがましいです・・・。なにせ、法律用語がいっぱいなので毎回四苦八苦してます。)

 ナイジェリア人のバレンタインさんは、2003年に新宿で客引きをしていましたが、おとり捜査の警察官とは知らずに話かけたところ、バイト仲間の「逃げろ!」という声にあわてて走り出したところ、警察官に投げ飛ばされ、路面に仰向けに倒れたところを膝を踏みつけられて粉砕骨折を負わされました。拘留中の不適切な対応(すぐに病院に連れて行かなかった)こともあり、障害が残ることになってしまいました。

 警察は、自分で看板にぶつかったとして、あくまでも自損事故で警察の責任はないと主張。バレンタインさんは、東京都(新宿警察)を相手に民事訴訟(損害賠償請求)を起しました。

 一審では、2007年までかかって裁判がおこなわれましたが、東京都(警察)の主張が全面的に支持され敗訴。しかも、裁判所は、東京都側に対しては、警察官の同僚の証言を認めているにも関わらず、バレンタインさん側の証人の証言を、「歌舞伎町黒人コミュニティーの仲間である同国人の証人証言を、そのまま信用することは到底できない。」とまで記しています。

 バレンタインさんは、高等裁判所に控訴(控訴してから、支援会ができました)しました。控訴審としては異例の長さの3年かかって弁論が続けられましたが、この7月、またしても、主張は認められず、敗訴が決定。

 その後、「これ以上やっても無駄」、「日本に正義なんかない」と憤りを感じながらも、周囲の説得もあり、バレンタインさんは、最後の望みとして、最高裁に上告しました。

 損害賠償請求(民事訴訟)という方法でしか、警察の責任を追及できる方法がないことから、裁判を繰り返していますが、バレンタインさんが欲しいものは、怪我をした原因が警察にあることを認めてもらいたいだけ。

 いわゆる国賠とよばれる、国を相手にした裁判は、ほとんど勝ち目がないと言われていますが、同じようなことは、いつ自分達の身に降りかかるかもしれない。なにより、日本人でさえ悩むのに、日本に住んでいる外国人の人が、国を相手に裁判をおこそうと決意するまで、ものすごい葛藤があったのだろうと察することができます。

 一人でも、この裁判を知ってもらいたく、あらためて「バレンタイン裁判支援会」のウェブサイトをご紹介します。ぜひ、一度訪問してみてください。

 

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